エラストマーとシリコン、と聞くと思い出すのは「ゴム」と「柔らかいシリコン製品」ですが、実際にはどちらも複数の種類があり、その特性の違いは大きいのです。この記事では「エラストマー と シリコン の 違い」について、素材の構造・耐熱性・柔軟性・耐薬品性・加工方法とコストまで、わかりやすく比較しながらご紹介します。初心者でも一歩ずつ理解しやすい構成で解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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エラストマーとシリコンの違いをざっくりまとめる
エラストマーは高分子鎖がランダムに重ね合わされたゴム系素材で、シリコンはシリコン原子を含む樹脂で独自の柔軟性と耐熱性を持っています。
1. 素材の構造と化学成分
エラストマーはポリマー鎖が物理的に結合しているのに対し、シリコンはシリコン-酸素結合が骨格を作ります。その違いが柔軟性や耐熱性に直結します。
エラストマーの代表例は以下の通りです:
- 天然ゴム(NR)
- 合成ゴム(SBR、NBR、EPRなど)
- 熱可塑性エラストマー(TPR、TPU)
- 熱可塑性弾性樹脂(TPE)
一方、シリコンの代表例はシリコン弾性体とシリコンベースの樹脂に分けられ、医療機器や食品接触部品に広く使われています。これらの化学構造の違いにより、使用環境に合わせた選択が必要です。
エラストマーはポリマーが物理変形で柔軟になるのに対し、シリコンは化学的結合が柔軟をサポートするため、耐熱・耐薬品性に長けています。今後の設計では、耐熱用途や食品・医療関連でシリコンを優先するケースが増え続ける見込みです。
2. 耐熱性と温度耐性の比較
シリコンは-55℃から+250℃程度まで温度変化に耐えられる点が特徴です。
- 低温時:-55℃で柔軟性を保ち、脆化しにくい。
- 高温時:250℃まで連続使用が可能。
- 急激温度変化に強い。
- 熱化学安定性が高い。
エラストマーは種類によりますが、一般的な耐熱温度は-40℃~+100℃に限られます。ビニルクロライド系や天然ゴムは高温でラベル外劣化しやすいです。
したがって、航空宇宙や自動車の排気系部品、医療用熱処理機器にはシリコンが選ばれやすいです。
3. 柔軟性と摩耗性の違い
エラストマーは低摩擦係数で、金属や他のプラスチックに接触すると滑りやすい特徴があります。
実際の柔軟性を測る指標はゴム状が70%を超えるほどの伸展率です。
| 素材 | 伸展率(%) | 摩耗抵抗性 |
|---|---|---|
| 天然ゴム | 300-400 | 高 |
| 合成SBR | 200-250 | 中 |
| シリコン | 150-200 | 非常に柔らかく、摩耗しやすい |
| TPU | 300-450 | 高 |
したがって、機械部品の密着部やスロット、パッジャーバンに使う際は摩耗性と伸展率を総合的に検討します。シリコンは柔らかく摩擦が大きいので、滑走面が必要な場面では注意が必要です。
4. 耐薬品性と言う安全性の差
シリコンは化学薬品に対してほぼ完全に不反応で、アルコールや油、酸化防止剤に強いです。
エラストマーの耐薬品性は種類に大きく左右されます。例えば、油に対しては安定している一方で、酸やアルカリに弱いことがあります。
医療機器の注射器や水道管、食品加工機械などでは、化学的安定性が最優先されるため、シリコンが多く選ばれます。また、環境規制が厳しくなる中、シリコンの低毒性も評価ポイントです。
5. 加工方法とコスト比較
エラストマーはオフセット成形・射出成形・ラジオ波成形など、多岐にわたる加工方法が存在します。
- 射出成形:大量生産に最適。
- ラジオ波成形:高精度部品に適用。
- 熱可塑性エラストマーは加熱後に加工しやすい。
- シリコンはオーブン成形、金型成形、UV固化など限定的。
エラストマーの原料価格は品種別で数百円〜数千円/kgの範囲です。シリコンは比較的高価で、1kgあたり数千円から1万円以上になる場合があります。よって、コスト重視の製品ではエラストマーが優位ですが、長寿命化や安全性重視ではシリコンが選択されるケースが増えています。
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まとめ
エラストマーとシリコンは素材として共通点もありますが、構造・耐熱性・柔軟性・耐薬品性・加工コストに明確な違いがあります。設計段階で「使用温度は何℃か?」「機械的負荷はどれくらいか?」「耐薬品性は必要か?」といった要件を整理し、最適な素材を選ぶことが重要です。
今回ご紹介した比較表や統計データを活用し、次回の製品設計にぜひ参考にしてください。もし選定に不安がある場合は、専門の技術相談窓口にお問い合わせいただければ、最適な素材を提案いたします。